2019年12月3日、奈良市内で「公正競争規約を学ぶ」会員・役員研修会を開催しました。講師は一般社団法人全国公正取引協議会連合会の会長代行糸田省吾氏と事務局次長小出明夫氏にお願いしました。なら消費者ねっとの会員と役員、行政関係者などが参加しました。
全国公正取引協議会は公正競争規約を運営する全国の公正取引協議会を束ねる組織です。消費者の権利保護活動や消費者教育活動を進める中で私たちなら消費者ねっとも景品表示法に関心を持ってきましたが、今回の研修で事業者団体による景品表示法を遵守する取り組み内容について詳しく学ぶことができました。以下、講演の内容の一部を紹介します。
公正競争規約は表示等に関する事業者間の申し合わせで、消費者庁長官と公正取引委員会の認定を受けて設定されます。現在77品目の規約がありますが、これにより消費者は表示を信頼でき、事業者も消費者の信頼を得ることができるとともに公正な競争の確保に役立っています。
各規約ごとに商品・役務の定義の統一や規格基準の明確化、必要な表示事項、使用禁止の表示などが具体的に記載されているため守りやすく、専門知識豊富な同業者による調査・チェックがあるので効果的にけん制機能がはたらくとのことです。違反の疑いあれば調査、警告。違反に対しては罰金や除名などの措置を行います。
公正競争規約の策定にあたっては「表示連絡会」が開催され消費者や学識経験者も参加して規約案に対して意見を述べることができます。景表法の運用に消費者の感覚が生かされ誤認表示を排除することにつながります。
糸田氏はできるだけ多くの業界に公正競争規約を作ってもらいたいので、消費者からも働きかけそしてほしいと呼びかけられました。
講演の後の質疑では、公正競争規約の具体的な策定方法や各公正取引協議会の状況などについて活発な意見交換が行われました。最後に、適格消費者団体や目指す団体も景表法遵守について活動していることが紹介され、消費者団体との連携協力を要望する意見が出されました。