特定非営利活動法人なら消費者ねっとは第4回通常総会を6月8日、奈良弁護士会館で開催し、会員諸団体および消費者・専門家・行政関係者の出席のもと全議案が承認され盛会裏に終了しました。
来賓の奈良県消費・生活安全課田中利亨課長は当団体による県内消費者の利益擁護支援活動への期待を述べられ、また北條正崇理事長が大きな役割を担う団体としての決意を表明しました。
総会議事は中西伸之副理事長を議長に選出し行われ、次の議案が提案され審議の結果全会一致で全議案が承認されました。
@第1号議案:2018年度事業報告及び決算報告承認並びに監査報告の件
A第2号議案:2019年度事業計画及び活動予算案承認の件
B第3号議案:定款変更の件
C第4号議案:役員選任の件
合わせて行われた記念学習会「今どきの広告の読み方」は奈良県と奈良県生協連の共催と奈良市の後援を得て開催、54人の参加者が集まり、公正取引委員会近畿中国四国事務所の赤土篤志さんによる学習講演を聴きました。
講師の赤土篤志さん |
赤土氏は公正取引委員会の事業や、消費者には普段なじみのない独占禁止法などの法的規制について紹介がありました。「公取の使命は公正な市場を守ること」であり、それが消費者の権利が守られることにつながっているということです。 また、「今どきの広告の読み方」として、広告表示などについてルールを定めている景品表示法について詳しく解説されました。豪華すぎる景品や誇大広告で不当に顧客を誘引することを禁じていますが、実際よりも「おトク」にみせかける有利誤認表示や実際よりも良質に見せかける優良誤認表示は跡を絶ちません。具体的な事例を画像で示しながら注意を促されました、
講演の後、なら消費者ねっとが2018年度に奈良県から委託を受けた消費者利益擁護支援事業の一環である調査活動「コインパーキングの表示しらべ」を高良光江さんが報告、中には最大料金などを勘違いしてしまいそうな看板表示もあることが報告されした。「おとくな料金は適用の条件を確かめること 」「自動精算機まわりにある表示でトラブル時の対応をチェックしておく」など、利用者が入庫時に気をつけるポイントがわかりました。
続いて同事業の「事業者への改善要請活動」について竹内大敬弁護士から報告がありました。「新聞購読契約(高額な景品で契約させたり、長期の契約をさせている事案)」「銀行の無担保カードローンの利用規約(契約者の死亡時に相続人が残額を一括返済することになる規定)」「WEBサイトでの会員登録(恒常的な企画であるのに今だけ有利に見せかけて登録させる事案)」について、それぞれ事業者に対し改善するよう申し入れた結果、いずれも要請が受け入れられ事案が解決しました。この他に調査活動でわかったコインパーキングの利用規約で、利用者に一方的に不利なものがあり、改善要請を行いましたが、誠意ある回答が得られていないそうです。
最後に当団体の小泉隆志副理事長が、1年の活動の成果を土台に県内消費者の声にこたえられる団体としての活動の充実させたいので、会員と関係者の協力をお願いしたいと呼びかけました。
北條理事長 | 奈良県消費・生活安全課 田中利亨課長 | 高良理事の報告 | 竹内理事の報告 |