特定非営利活動法人なら消費者ねっとの第3回通常総会を6月9日、奈良弁護士会館において開催しました。
北條正崇理事長が1年間の成果の報告と謝辞を述べた後、中西伸之副理事長を議長に選出し議事を行いました。
審議の結果、@2017年度事業報告及び決算報告承認並びに監査報告の件A2018年度事業計画及び活動予算案承認の件の2つの議案が全会一致で全議案が承認されました。
総会に続いての記念学習会「どうなる?若者のくらしと社会〜成年年齢引き下げから考える〜」には60人の参加者が集まり、適格消費者団体消費者支援機構関西の常任理事で弁護士の二之宮義人氏による学習講演を聴きました。奈良県と奈良県生協連の共催と奈良市の後援を得て開催され、県消費・生活安全課田中利亨課長はじめ、行政や関係機関、消費者団体からの参加がありました。
講師の二之宮先生 |
講演は、民法改正の「成年年齢引き下げ」によって引き起こされる様々な影響に焦点をあて、講師の二之宮先生はいろいろな角度からこの問題について詳しく講義されました。現在の20歳から18歳への引き下げは予定では2022年には施行されるとのことですが、若者への消費者被害の多発が心配されるところです。「大人と子どもの線引きは?なぜ18歳なのか?禁止年齢や被選挙権などとの整合性は?大人としての責任をどの時点で付与するのか?そもそも若者自身はどう考えているのか?」など、お話の中で多くの論点や課題があることがわかりました。消費者教育と被害未然防止対策の強化が急務であると同時に、若者がどのように社会参画をし、どのような社会を描いていくのかを社会全体でしっかり考えることが重要であると話されました。
講演の後、なら消費者ねっとが2017年度に奈良県から受託した消費者利益擁護支援事業の「事業者への改善要請活動」について竹内大敬理事と小泉隆志副理事長から報告しました。取り扱った6件の事案の中から「未成年契約取消制限の事案」と「初回低価格を強調する定期購入」の2件について説明しました。
また、昨年度から活動連携している奈良女子大学消費者問題研究会BEACSから山田斐奈子さん、菊池美智さん、高久夏穂さんの3人が活動紹介をした後、DVD「奈良女子大生と学ぶ消費者トラブル〜身近に潜むワナを見逃さないために〜」の上映がありました。しもいちテレビとの共同制作で、ねっとの会員団体でもある「グループあんあん」とともに自らも出演して、点検商法や還付金詐欺などの啓発コントを演じています。
最後に奈良県の田中課長が挨拶され、奈良県が導入した高校生向け教材「社会の扉」にも触れながら、消費者教育の充実と被害の未然防止に向けて、今後の連携と協力を呼び掛けました。
BEACSのみなさん | 北條理事長 | 奈良県 消費・生活安全課 田中利亨課長 |